ハーディングのブラームス1番
今日(2017年5月18日(木))は、今朝の新聞で見つけた、ウィーンコンツェルトハウスでのハーディング指揮スエーデンラジオシンフォニーオーケストラのコンサートへ行った。
指揮:ダニエル ハーディング Daniel Harding
バイオリン:ジョシュア ベル Joshua Bell
オーケストラ:スエーデン ラジオ シンフォニーオーケストラ
曲目: ピエール ブーレーズ Rituel in memoriam Bruno Maderna
エルンスト ショーソン Poeme op.25 für Violine und Orchestra
モーリス ラベル Tzigane, Rapsodie de concert für Violine und Orchestra
ブラームス 交響曲 1番
ブーレーズの曲は、楽器の配置が特殊だった。舞台上は大きさの異なるタムタム(銅鑼)が20個以上配置され、舞台中央に金管楽器、弦楽器、木管楽器と特殊な打楽器は舞台と2階客席の左右前後の4か所に配置されていた。玄人には評判の高いブーレーズだが、素人の私には良くわからなかった。曲の始まる前にハーディングも一緒に解説者が一部曲と特殊な打楽器の説明があったが、それでも曲の理解とは程遠かった。25分。
休憩をはさんでショーソンとラベル。遠目から若手のバイオリニストと思っていたが、ウィキペディアを調べるとアメリカ生まれの49歳。ショーソンの出だしより、「良いバイオリニスト」と思ったが、ラベルでは確信に変わった。ラベルは最初から最後まで強い緊張感で聴衆を引き付けた。元来、印象派のラベルやドビッシーは、曲のとらえどこがわからず、あまり得意な作曲家ではないが、今日のラベルは非常に良い。
五嶋みどりのラベル
Joshua Bell のチャイコフスキー
Joshua Bell - Tchaikovsky - Violin Concerto in D major, Op 35
最近の気づきだが、良い演奏というのは音量が大きくなる時よりも弱音の際、強い緊張感により聴衆を一気に引き付ける力があるかどうか、だと思う。気持ちの入っていない演奏は、いくら有名な演奏家でもピアノやピアニッシモが単なる弱い音になってしまう。
ハーディングのブラームスは期待通り。良くオーケストラをコントロールして、終楽章に向けて盛り上げていた。ブラームスの1番を演奏会で聞くのは何十年ぶりか。前回いつ頃どのオーケストラで聞いたか記憶にない。
3月のドダメルのベートーベン全曲演奏でも感じたが、改めてオーソドックスなベートーベン、ブラームスなどの曲を美しいと感じた。最近は大編成のマーラー、ブルックナー、ストラヴィンスキー、ショスタコーヴィチなどの曲を好んで聴き、それ以前のものは編成が小さく楽器種類も少ないので「少し退屈」ぐらいに勝手に思っていたが、やはりオーソドックスな曲も美しい。あっという間の45分。
Harding - Brahms Hungarian dance