昨日(2017年6月16日(金)は、昨日に引き続きムジークフェライン。

 

今回は、ヤンソンス/ウィーンフィル。最近、ウィーンフィルには逆の意味で偏見を持ってしまっていて、ブランドが高すぎて演奏内容によらず集客できるので、感動できる気持ちのこもった演奏は聞けないのでは?

前回、そうゆう経験をしたが、今回はヤンソンスに期待。

 

 

曲目:ドボルザーク 交響曲第8番

    休憩

   R.シュトラウス 死と変容

   ストラビンスキー 火の鳥

マリス・ヤンソンス 指揮  ウィーンフィル

 

 

プログラム構成からして、休憩前にドボルザークで軽く肩慣らしをしたのち、R.シュトラウスとストビンスキーで盛り上げる、との意図と理解。

 

しかし、私はドボルザークの8番を新たに発見した、といってもいい、これまで聞いた中で最高の演奏だった。出だしのチェロの音、弱音の緊張感。メロディーの歌わせ方。どれをとっても秀逸。私の中のデファクトが、セル/クリーブランドのため、どちらかと言うと、さっそうとテンポよく進む曲、のイメージがあったが、こんなにメロディーが美しく、しかも甘ったるくならない演奏になるとは、予想もしていなかった。最初からグイグイ引き込む演奏となった。

大満足。

 

休憩後のR.シュトラウスとストラビンスキー。R.シュトラウスは、ばらの騎士やアラベラ、ナクソス島のアリアドネなどのオペラは大好きだが、交響詩は楽しみ方が良くわからず、それほど聞いていないため、私の中のデファクトがないので、多分演奏は素晴らしく良かったと思うが、なじみの薄い曲はどうしても感動が沸き起こってこない。

 

火の鳥は、どうしてもスベトラーノフやフェドセーエフのロシアの指揮者の演奏がデファクトになっているので、逆に今回のヤンソンス/ウィーンフィルの弦の美しい、均整の取れた、メロディーを歌わせるような演奏は物足りなく感じる。メロディーよりもリズムを強調し、体に響くようなパーカッションでグロテスクな表現。ウィーンフィルにこれを求める、こちらが筋違い。ロベストジェンスキー/ウィーンフィル でストラビンスキーやショスタコーヴィチの演奏が聴けたら面白いのに。(無理な望みは承知の上だが)。

 

もちろんこちらの好みの問題で、会場は大拍手で、ブラボーの嵐。

 

良い演奏会だった。